或る物語-2-

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 タエ子にはお小遣いをくれる小父さんがいるのでした。週に一遍、会ってお話をして、五番町の二人だけになる料理旅館のお部屋で二機関ほど過ごすと、五百円もらえるのです。小父さんの仕事はお寿司屋さんでお寿司を握るひと。千本中立売を上がったところから、千本京極という歓楽街があって、その入り口にあたるところに甘党喫茶の店があって、タエ子はその店、タマヤという名の喫茶店に夜の七時に入って小父さんを待つのです。あんみつ姫という映画を見たから、あんみつを食べます。甘い、あんこがたまらなく美味しい、タエ子は好きになったのです。そのうち小父さんがやってきて、タエ子の前に座って、ミルクコーヒーをお飲みになるんです。
「なあ、タエ子、おかあさん、何かゆうてるんちがうか」
小父さんと知り合ってもう三か月を過ぎていて、週に一遍、こうして夜に家を空けるタエ
子のことを、母親はなんと思っているのか、小父さんは気になるのです。娘の年頃、タエ子は年齢からいって親子ほどの年齢差です。タエ子が15歳、小父さんは40歳を越えたところです。
「おかあちゃん、夜、いやへんから、大丈夫なんよ」
「お姉ちゃんがいるやろ、なんいもゆわへんか」
「姉ちゃん、遅くなっても、心配しやへん、わたしのこと知らん顔」
「そうなん、タエ子、可愛いな、今夜も12時までなら、ええんやな」
小父さんは、タエ子をいつもの料理旅館、市田へ連れていきます。

 タエ子は中学三年生の夏休み、千本中立売のお寿司屋さんでアルバイトしたのです。小父さんはそのお寿司屋さんで、寿司を握っている職人さんです。米を炊くのは住み込みのお姉さんですが、炊けて大きな平桶にご飯がひろげられ、酢がまぶされるのですが、そのときアルバイトのタエ子が、うちわで湯気立つご飯をあおぐのです。小父さんがそのタエ子に、フルーツポンチとか、アイスクリームとかをおごってもらうようになったのでした。
「ええことしにいこ、お金あげるから、内緒やで」
三回目におごってもらったとき、タエ子の夏休みが終わるので、アルバイトができなくなるというので、小父さんが送別会だといって、タマヤでケーキを注文してくれて、料理を食べに行こうといって、その足で、五番町の市田へ、連れられていったのです。
「タエ子は女の子やから、知ってると思うけどなぁ」
「うん、うち、知ってるよ、女は、男に、抱かれるんやって」
「そうか、それで、小父さんは、男やから、抱いてええんか」
「抱いてええけど、赤ちゃんでけへんようにしてね」
タエ子は処女でした。裸にして、股をひろげさせ、指でそこをなぞると,いたい、といったのです。
「いたいけど、がまんし、つぎは、いたいことあらへんから」
遊び人の小父さんは、あっさりと中学三年生のタエ子と、座布団を下敷きにして抱きあって、男と女の関係にしてしまったのです。



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