愛の物語-18-

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 誠二は、とっても嬉しそうな表情で、京子にネックレスをプレゼントするというのです。長方形のボール紙お箱に、その品物は仕舞われていて、紙のフタを開けると、金色の鎖に真珠がつけられたそれが、京子の目にはいったのです。京子は、びっくり、嬉しさを隠しきれません。
「あ、あ、あっ、ありがとう、わたしに、くれるの?、誠二くん、うれしい」
「そんなに上等じゃないけど、似合うかなと思って、買っちゃった」
京子は、真珠のネックレスを箱からとりだし、手に掛け、もちあげ、鑑賞するのです。誠二が、嬉しそうな表情を見せるので、京子も嬉しさをそのまま表情に出してしまいます。
「おれってさ、なんか京子を、好きになったみたいだよ、だから、さ、買ったんだ」
告白、誠二の告白、京子が好きだという告白です。京子は、誠二の顔を見ようとおもうけれど、なんだか恥ずかしくって見れないのです。好きになった、と言われて、京子はとっても嬉しい気持ちに満たされてきて、誠二に、わたしも好きよ、と言いたいと思うのに、その言葉がだせません。
「おれ、今の仕事、やめて、自動車の修理工になろうと思うんだ」
「ええっ、そうなの、誠二くん、自動車の修理屋さん?」
「そうだよ、これからの時代は、自動車、そしたら、おれ、日曜日、休みとれる」
「そうなの、日曜日、休みになったら、わたしと一緒よ、会えるね」
「そうだよ、会えるよ、日曜日、明るい時に、会えるよ」
小浜から出てきて、寿司屋へ住み込んで高校に通っている誠二が、自動車の修理工になる、というのです。仕事のあたりはついていて、千本丸太町のモータースが求人を出していて、それに応募したら、来てほしいとの話して、年末を終えたら転職するのだと、誠二は京子に伝えたのです。
「アパート借りて、一人住まいして、学校へも、行かせてもらえるんだ」
「そうなの、いいなぁ、誠二くん、賢いから、なんでもできるんよね」
「京子は、織子で、いいじゃない、来年、高校で勉強するんだろ」
「うん、わたし、誠二くんの高校に入って、いっしょに勉強したい」
「そうしなよ、おれ、楽しくなってきたよ、京子といっしょだったら、楽しい」
水曜日の夜、白梅町の喫茶店で待ち合わせして、一時間程いっしょに過ごして、帰りは誠二の単車に乗せてもらって、寮になっているアパートに帰ります。この日、京子は、少し大人の下着を身につけてきたけれど、そのことは誠二には知らせることもなかったから、黙っていたから、誠二には、その女ごころは伝えられないままでした。

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