愛の物語-2-

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 どちらかというと茂子の方が活発な女子です。二つ向こうのテーブルでランチを食べている誠二の前に行って、話しかけていったのは茂子でした。
「キミ、寿司屋の子でしょ、名前、なんてゆうんよ」
おかっぱ頭の茂子が、丸坊主の誠二に、ズケズケと訊きだします。誠二は、おとなしい男子の風に見えても、やはり年頃の男子です。
「せいじ、ってんだ、まことににと書いて誠二、中野誠二ってんだ、キミは」
こんどは茂子が訊かれます。茂子は、テーブルを挟んで誠二の前の椅子に座ります。まだ京子がいるテーブルには、ランチが食べ残してあります。
「うちは、ねぇ、しげこ、やまむらしげこ、錦織物で織子してるのよ」
ちょっと大人っぽい感じがする茂子を、フォークとナイフを持ったままの誠二が顔をあげ、見ています。
「そうなんや、錦織物のひとなんや、そうなんや」
誠二は女子の茂子を、興味深そうに見ていて、驚いたように声をだしたのです。京子は、茂子と誠二がテーブルを介して話しだしたのを見ています。京子は、どちらかといえばおくての女子です。自分から男子に声をかけるなんて、中学生だったときには、一度もありませんでした。もちろん西陣にやってきて織子の仕事についても、会社の男性とは、男から問われれば応えて、会話を紡ぎますが、自分から話しかけるというのはできないたちでした。
「京子、こっちへおいでよ」
誠二の前にいる茂子が、京子に、こっちへおいでと手招きします。京子は、席を移動して茂子の横に座ります。ランチはほぼ食べ終わり、あとのコーヒーを持ってきてもらうのを、茂子が、喫茶カドヤでウエイトレスしてるお姉さんに告げます。喫茶店の照明は電球のオレンジ色で天井が明るく、テーブルの上にスポットライトです。喫茶カドヤは女子の客が八割を占めるのは、西陣の働き手に女子が多いからです。
「京子ってゆうのよ、この子、可愛いでしょ、でも、十八よ、わたしと一緒よ」
「きょうこです、西上京子です」
「そんなんや、十八なんや、ぼくは十七になったよ、お姉さんなんや」
定時制の高校に通っていると誠二がいうと、京子は、わたしも、行きたいと思ってたのよ、とことばを挟んできました。茂子は、勉強は嫌いやし、というのです。黒い皮ジャンバー姿の誠二を、京子はカッコいい男子だと思うのですが、言葉に出してなんて言えません。誠二は、活発な茂子に傾いていきます。
「うちは加悦から、京子は網野からよ、誠二はどこよ」
「ぼくは、小浜だよ、京都へきたら、寿司屋の前に住み込み可の張り紙があって、世話になったんだ、このまえ」
「みたことあるんよ、バイクに乗って、配達に来たところ、見たんよ」
「錦織物は、得意先で、お客さんがあると、寿司を注文するんだね、高いのを」
「うち、寿司正の寿司って食べたことないわ、美味しいんでしょ」
「まあ、な、上等だよ、でもネタは、小浜のほうが魚は美味しいよ」
京子は、聞くばかりで、会話にはなかなか入れなくて、しゃべるのは茂子と誠二でした。土曜日には、誠二は学校がないから、喫茶カドヤにきて食事するというので、茂子は、わたしも土曜日は会社の賄いがないので、夜は、ここで食事する、と応えて、また会う約束をするのです。

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愛の物語-1-

-1-
 京都に西陣と云う地域があります。応仁の乱のときに東西に分かれた軍の西の陣があったところだというのです。そこから西陣という呼び名が生まれていて、狭い限定でいうと千本中立売を基点に北は鞍馬口、南は丸太町、東は堀川、西は紙屋川、と大体の目安が定められる。千本中立売は西にいくと下之森で一条通りとなり、現在は大将軍商店街になります。その交点から北が北野天満宮の参道となります。西へ道をとると御室仁和寺から嵯峨に至ります。
 千本中立売から千本通りを北にとると船岡山があります。船岡山は平安京造営のときの北の基点となったといいます。西の陣が置かれたのも、この船岡山だと記されています。現在の千本通りは鞍馬口から歪曲しながら北へと延びて、北大路から鷹峯に至ります。鷹峯からは京見峠をこえ日本海につながる街道だったと記されています。鞍馬口から北一帯は蓮台野と呼ばれ、死者を埋葬する場所でした。
 市中にもどると、千本中立売の東から北一帯は、西陣織の織物業が集積した地域で、千本中立売は歓楽街のど真ん中となっていました。南西には五番町の遊郭がありました。北東は西陣京極、昭和の時代には映画館がいくつもありました。西陣織の織子となって丹後の地域から中学を終えた女子が仕事に就いた地域となり、歓楽街となったこの界隈は、旦那衆の遊び場としての五番町、若い女子の遊び場としての西陣京極、このようにして町が栄えていました。西上京子は、丹後から出てきた女子で、錦織物の織子としてアパートに住み込んでいました。中野誠二は寿司屋で働く住み込み店員で、福井の小浜から出てきた男子でした。
 西上京子は18歳、土曜日の夕暮れになり仕事が引けると、一緒に働いている山村茂子とご飯を食べます。食べる処はいつも西陣京極の入り口にある喫茶店カドヤで、食べるメニューは洋食ランチです。洋食ランチのメインは、ハムと海老フライとハンバーグの三品で、ポテトサラダにスパゲッティが添え物として盛られている。お皿に盛られたご飯を、ナイフとフォークを使って食べるのに、京子も茂子も、最初は戸惑ったけれど、もう三年目を迎えた京都の町での生活で、慣れた手つきで食べられるようになったのでした。
「京子、みて、みて、みてごらんよ、あの子、寿司屋の出前の子、可愛いじゃない」
「うん、うん、可愛い男の子だね、丸坊主、可愛がってあげたいね」
ナイフとフォークを使って食事をしながら、二つ向こうのテーブルに、ひとり座って洋食ランチを食べだした中野誠二を横から見ている京子と茂子でした。そのときは、まだその男子が中野誠二だという名前を知らなかった京子と茂子です。ちらちらと見ていると、誠二の方も二人の女子に気づいたみたいで、ちらちらと横目で返してくるのでした。京子は、なんだかドキドキしてきて、まるで恋する男のような感じで、誠二に見とれてしまったのです。

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秋立ちて-38-

-38-
 朝方まで多恵の寝室にいて、少しまどろんだあと、良一は帰っていった。朝のコーヒーでも飲んでいったら、と多恵は思ったが、口には出さなかった。多恵は、陶房に入って、土を捏ねだした。頭の中は先ほどまで一緒にいた良一の姿ばかりが浮かんできた。土を捏ねるのは慣れているから、身体は機械になればいい。多恵は、菊揉みして土を慣らした。冷たい感触が、しだいに温かくなってくるのがわかる。ろくろは使わない。紐を作って巻き上げていく手捻りだ。制作するのは抹茶茶碗だ。形を作りながら、しだいに熱中してくる自分を思う多恵だ。別れた後の虚しさみたいな感情が、心のなかに残っている。束の間の癒されの時間だった。庭が明るくなってきた。夜が明けてきた。お腹が空いた。喉が渇いてきた。多恵は、器の形を作ったところで手をとめた。
 二階のプライベートな空間に戻ってきた多恵だ。もう良一の痕跡はゴミ箱の中に残滓が残っているだけだ。どういたらいいのか、多恵は思いあぐねる。一緒に生活をするなんてことはあり得ない。多恵も良一も独り者だから、別にやましいことは何もない。古い貞節感であれば結婚していない男女が関係することはタブーだったかもしれない。しかし、いまや、そういう風習を多恵は守ろうとは思わない。なんだろう、抱きあっているとき、こころが安らぐ、からだが燃え上がる、欲求が燃え盛っていく。多恵は、良一を可愛いと思う。恋愛の対象というより、母と子といった感情かも知れない。
<ふううん、ピアノ、弾いてるの、小説を書いてるって、言ってたわね>
<なんだろう、良ちゃん、憂えた顔が憎いほど可愛い、ちょっと控えめないい男>
ぶつぶつ、多恵は寝室の扉を開けたままで、キッチンで朝の目覚めコーヒーを淹れながら、独り言が頭の中でしゃべっている。
<子供できちゃ大変だわね、注意しなくちゃいけないわね、わたしが注意するしかないのよね>
<連絡、してくるまで、わたしからは、アクションしない、女だもんね>
コーヒーはブラックで、ロースターズさんで仕込んでもらった特上品だ。まろやかに美味しい。多恵はコーヒーが好きだ。紅茶より、抹茶より、珈琲が好きだ。少しは男っぽい気性も持ち合わせているからかもしれない、と多恵はその嗜好について分析する。良一を誘惑しているのは自分だ、と思っている。
<この歳になってるんだもの、若い男を侍らせておくのも、いいことよ、ね>
<わたしは、結婚しない、親や親戚のために結婚するなんて、だから、未婚のままよ>
<赤ちゃん欲しいと思うときもあるけど、それは無理、ああ、わたしの居場所は何処なの>
陶芸家として世間に認められていくこともいいけれど、それだけでいいわけがない、と多恵は思うだった。
 十時過ぎになって、陶苑編集部の野村真紀からメールが来た。原稿が出来たからファクスで送ります、との内容だ。まもなくファクスが送られてきた。月刊誌の陶苑新年号にグラビアで載る多恵の写真と記事だ。水際冴子との対談。多恵の略歴。多恵を褒める陶芸作家論。八ページの記事だ。多恵は、真紀宛ての返信メールで、記事を制作してもらったお礼と、また京都へ遊びにいらっしゃい、とのメッセージを添えて返した。多恵は不思議と、大学の先輩で月刊誌陶苑の編集次長を務めている北村信之のことは、思い出さなかった。

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秋立ちて-37-

-37-
 セミダブルのベッドに多恵が仰向きに寝そべる。良一が多恵の左横で脇腹を下にして寝そべる。良一が多恵を抱く格好だ。敷布はシルクで肌触りはすべすべだ。掛布は羽毛布団でふかふか柔らかい。枕は低くて幅広だ。柔らかいスポットの照明がベッドの下半分を照らしていて明るい。頭の上は宮でランプが置かれている。
「ううん、いいのよ、良ちゃん、用意してあるから、大丈夫よ」
多恵が、良一の右腕に、首後ろから肩を抱かれながら、言う。多恵が言うのは避妊のことだ。ベッドの宮の引き出しに、スキンが箱ごとしまってある。いつかは、こういうことが、あるだろうと多恵が夢想していたことが、いま起こっているのだ。
「ああ、おねえさん、ぼくは、こんなこと、いいんだね」
「そうよ、いいのよ、良ちゃん、いいのよ」
寝そべったまま、良一に抱かれた多恵が、ゆっくりと、小さな声で、囁いた。良一は、願ってもないこと、多恵と男と女の関係になるなんて、空想はしていたものの、現実となっては、たっぷりと受け入れる嬉しさだ。良一が肌を弄ってくる。硬い感じの男の手だ。もうすっかり温かい良一のからだ。それに手も温かい。乳房を揉まれる。唇を乳首につけてくる。多恵は、肌で受けとめる男の感触に、からだを開いていく。
「はぁあっ、はぁああっ、ああん、あああん」
「ふうう、うう、ううっ、おねえさん、柔らかい」
「ああん、良ちゃん、硬い、おっきい、ああん、良ちゃん」
良一が股の間に手を入れてきて、揉みほぐしてくる。それに呼応するように多恵が、良一のモノを握っている。お互いに肌をまさぐりあい、性器を手でまさぐりあい、良一が逆さになって仰向きに寝る。多恵は、仰向いた良一の顔にまたがり、下向けた顔を、良一のモノに触れさせる。
「ああ、ああ、いいわ、いいのよ、ああっ」
多恵は、良一のモノの下半分を右手に、軽く握ったまま、上半分を唇に挟んで口の中に入れる。良一の顔には、多恵の股間が押し当てられている。良一は、自分のモノを多恵に弄られながら、多恵のソコを唇と舌で弄っていく。おたがいに言葉はいらない、吐く息、吸う息、息の根が静寂の寝室に醸されるだけだ。
「ううっ、ああ、ああ、ああん」
良一が、唇と舌のかわりに指をいれてきたのだ。きつい刺激が多恵を包む。多恵は良一のモノから顔をあげ、ぎゅっと握ってしごいてしまう。
「ああっ、ああっ、良ちゃん、ああっ」
多恵は、右手に良一のモノを握ったまま、四つん這いになり、太腿を良一の脇腹に、またがらせる。天井からの光とスタンドからの光で、多恵のソコが良一に、丸見えになる。多恵は男のモノを観察し、良一は女のソコを観察する。
「ああん、だめ、だめ、あああん」
指をいれられた多恵が、お尻を揺すって、ふるえる。良一は多恵のなかを、右手の指二本で、捏ねてやる。多恵が、呻くのがわかってきて、良一は多恵のからだが高揚しているのを感じる。いよいよ、接合させるときがきたと良一は思う。四つん這いの多恵を仰向きに寝かせる。多恵にも気配がわかって、良一のなかに埋もれていった。

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秋立ちて-36-

-36-
 多恵の欲望は、封印されてきた三十五年を一気に壊してしまうかのように、七歳年下の男子、松宮良一に向けられる。良一は多恵の陶芸作品を店先に置いてくれている土産物屋の店員だ。自分が良家の娘だと、周りが思うほどには良一は無頓着だと感じられ、水平目線で立ち会える好青年だ。小説家をめざし、ピアニストをめざしているが、土産物屋の店員として収入を得ている良一に、惹かれている多恵の心情だった。多恵がプライベート空間に良一を導きいれたのは、欲求を満たすためだといえば、そういうことだ。
「ああん、良ちゃん、ああん、こそばい、ああん」
セミダブルのベッドの縁に置いている愛用の肘掛椅子。その肘掛に、膝裏を跨らせた多恵の股間には、隠すものはなかった。良一が唇をつけてくる。男の荒々しくなった感情が、女の多恵をよろこばせにくる。
「ううん、おねえさん、ううっ、ああっ、いいね」
「ああん、あん、あん、ああっ、うう、ううっ」
「いいんだろ、おねえさん、ヌルヌルだよ、いいんだね」
多恵の股から顔をあげ、ブラトップの裾から手を入れてくる良一が、言葉を紡ぎ出す。
「いいね、おねえさんのからだ、あったかいよ、うるうるだよ」
「いやん、だめ、そんなこと、ゆうたら、だめ、ああん」
良一の目の前には、多恵の股間はがめ上向き、大きくひろげられているのが見える。合わさっていた多恵の秘唇が、良一の唇と舌のせいで、めくれている。淡いピンクがかった唇の内側があらわれている。良一が、ブラトップをめくりあげ、多恵の乳房を露出させる。良一は、多恵が身につけたブラトップを臍のしたの裾からもちあげ、乳房を露出させ、頭から首の後ろへ、めくってしまって留めた。そうしてシャツを脱ぎ、全裸になった良一だ。
「ああっ、良ちゃん、きて、来て・・・・」
すでに良一の腰からのモノは勃起していて、多恵はそれがソコへ来るのを待っている。多恵のうわずった声に良一は、多恵の股の高さに腰の高さをあわせる。そうして多恵が欲求する言葉にあわせて、勃起するモノの頭を挿し込んだ。
「あっ、ああっ、ううっ、うううっ」
多恵が盛りつく猫のように、呻く声を洩らしてしまう。良一は、挿し込んだ局所に濡れた感触を得る。頭を挿し込んで、そのまま半分まで挿し込んだ良一が、多恵の肩に手を置いて、ブラトップを脱がしてしまって、全裸にさせた。そうして、残りの勃起ブツを、根元まで挿し込んでしまう。
「おねえさん、ああ、おねえさん、いいね、いいよ、いい」
「はぁあ、ああっ、ううっ、うう、ううっ」
良一が、多恵が座る肘掛椅子に向き合って座ってしまう。そうして多恵を背中から抱いてしまう。良一からみれば小柄な多恵だ。抱かれて、良一の胸に顔を当て、腕を良一の背中にまわしてしまう。ひとつの肘掛椅子の座部に、多恵の臀部と良一の臀部が乗っている。男のモノと女のソコが密着されて、接合されて、抱きあう。
「ううっ、ああっ、ううううっ、あっああん」
「いいね、いい、いいっ、おねえさん、いいねぇ」
良一が腰を横に揺する。多恵の呻く声が洩れる。多恵の上半身を左腕に抱いて、右手で乳房を弄っている良一。多恵は顔を横にゆすり、喜悦にたえる。からだが燃えだして蕩けていく。
「ああああっ、ベッドへ、ベッドで、ああっ、ベッドでして・・・・」
多恵が、呻くように、横のベッドで寝たいという。ふかふか、多恵か毎夜、独り寝しているセミダブル、ベージュのベッドだ。

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秋立ちて-35-

-35-
 多恵には見たい願望があるが、見られたい願望も持ち合わせていた。好奇心といえばいいかもしれないが、とくにセックスにはいつも封印をしていて、蓋をしているから、他人の前で露わにすることはない。でも十八歳前後から、セックスに関しての興味が多恵の内面で顕著になってきた。大学生の頃の恋は、すぐに終わったが、それ以来、貞節を守ってきたが、いま、年下の松宮良一を知るようになって、封印を解きはじめた三十五歳の多恵だった。
「いいのよ、いいの、もっと、近くに来て、ほうら」
まだショーツを穿いたままの多恵は、膝の間に良一の頭を挟んで、もっと顔を股に近づけて、という仕草だ。良一は、ほんのり肌のぬくもりを顔に感じながら、顔を多恵のショーツにくっつけてしまう。ザラッとした布の感触が唇に伝わる。股間の重ね布のうえに唇を置く。肘掛椅子に座った多恵は、膝をひらき、太腿をひろげ、臀部をまえへ、ずらしてしまう。股間が斜め上に向けられてしまう。
「ああっ、良ちゃん、ああっ、良ちゃん」
良一の顔が股間にくっつけられ、多恵はその頭を抱いてしまう。ほんのり女の匂いを嗅ぐ良一は、多恵の前にひざまずいたまま、両手の平を膝から太腿の根元にまで撫ぜあげ、太腿のつけ根をひろげようとする。多恵は、肘掛椅子に置いたお尻を少しもちあげ、穿いてるショーツを脱いでしまう。お尻を抜かれたショーツが太腿の根元にまで降りて留められる。良一はすでに腰からしたは剝き身だから、なにも隠すものはない。ブラトップを身につけた多恵のショーツが膝まで降ろされ、膝を閉じる多恵の足元に落とされ、外されてしまう。
「ああ、見て、いいのよ、良ちゃん、見たいんでしょ、見ていいのよ」
多恵はうわ言のように、だれに言うのでもなしに、良一に言うのだ。多恵のソコを見た良一は、薄暗い光のなかだけど、多恵の秘密を見るドキドキ感に卒倒してしまいそうだ。
「ああ、おねえさん、足、ひろげて、もっと、ひろげて」
良一が介助する格好で、多恵が太腿からの膝を肘掛に跨がせる。
「ああん、いやよ、あああん、あんまり、みちゃ、いやよ」
多恵は、お尻を前にずらし、股間を斜め上にさせ、膝を丸みを帯びた肘掛に跨らせた。
「うん、うん、みないよ、おねえさん」
良一が、顔を近づけ、唇をくっつけ、押し当てる。多恵は良一がソコへ顔をあて、唇で擽りだしたせいで呻く。
「ああっ、ああん、あぁあ、ああっ」
多恵の寝室は六畳の洋間だ。宮付きのセミダブルベッドに肘掛椅子丸いテーブルが置かれている。柔らかな光が室内を包んでいる。音は無い。音が起つといえば良一と多恵の小さな声と肌が触れていく音だけだ。

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